今回は作物を育てるにあたって、土壌をどの様に管理するといいのかを書いていきます。
基本的には作物を栽培する上で団粒構造というのが大事になってきます。
有機栽培であろうが、無農薬栽培であろうが、現代の農業の形であろうがです。
しかし一つだけ必要のない形態があります。水耕栽培などの土を使わない農業です。近代農業では多く見かけるようにはなりましたが、コストが高く導入に二の足を踏むのは否めません。
団粒構造とは
団粒構造とは、土を細かく見ると固相・気相・液相に分類されます。
三相分布といいます。
固相が土本来の役目です。土の役目とは、植物が根を張り倒れないように踏ん張ることのできる環境の土台となっています。固相の中でも大きくイメージできるのも3つに分かれています。
固相の粒子が大きい所を砂土壌と言います。
海岸や川付近に多い土壌であり読んで分かるように砂の土壌です。水、肥料の持続力がなく乾きやすいのが特徴となっています。
適していることをあげると、発根を促すうえで使用しやすい環境といえるでしょう。挿し木などで発根をさせる際乾きやすい環境下で乾いたら水をかける。を繰り返すと発根しやすくなります。
花木などの挿し木はパーライトなどの粗めの粒子の物に刺すと発根しやすくなります。水分もちが悪いので寒冷紗などを使用して蒸散速度をコントロールする必要もあります。
固相の粒子が細かくあるものが粘土質土壌です。
砂土壌と逆の性質があり、水を通しにくい土壌となります。粘土質土壌は粒子が細かく水があると堅く固まってしまいます。水田や黒ぼく地域の土は粘土質が高い方だと思います。しかし、作物が育たないというわけではありません。ちゃんと手を入れて土壌改良を行うことで作物は育ちますし、管理もしやすくなります。
土壌改良の一つに、有機物の補充ということが上げられます。具体的には腐葉土など、枯れ葉などが微生物により分解されている段階のものを持ち込み土壌混和していくものです。しかしこれには大量の腐葉土が必要なため農業経営では現実的なことではありません。代わりに入れる物は牛糞などの完熟堆肥です。
牛糞堆肥とは牛の糞を発酵させ、パラパラの状態までさせてあるものをいいます。未完熟の物は異臭がして窒素分が多く土壌改良には向きません。完熟した堆肥はほとんどニオイはなくパラパラとしています。パラパラしている状態の物もニオイがキツいようでしたら未完熟の物だと思って間違いないです。未熟堆肥をオガクズや籾殻などと混ぜてパラパラに見せているものもありますので、すぐに定植したい！という時にはそのような物は避けた方がいいと思います。まだ定植までに時間があるようでしたら、土との混和を十分行えば使用も可能だと思います。
後はちょうどいい位の固相条件となっている畑などの土壌です。どちらかというと山手の方に多い土壌性質かと思います。長年の草や枯れ葉などが微生物により分解されてきてできた超大作という感じでしょうか。大・中・小の固相の連なりがほどよくあり、粘土質の様に気相部分が少なくもなく砂土壌の様に大きすぎるわけでもない土壌です。土を触ると、ホクホクとした感じのやわらかい土壌です。（土の表現が難しい・・・）
このような土壌は肥料持ちもよく水分も適度に持てる土壌になります。
団粒構造はこの固相・気相・液相が歩合よくなっている構造のことです。
気相ばかりある砂土壌では肥料が水と一緒に流れてしまうので効率が悪くなります。（砂土壌の良さはまた別で解説します）
粘土質では植物が根を張るのに気相部分がないと張りづらいし、水の浸透が難しいです。そこで土壌改良として堆肥などを入れ気相・液相の確保をしていきます。
土壌改良材については他にもいろいろとあります。
ここまでのことを考慮して、家庭菜園など植物を植える前にやることを早めに準備しておいた方がいいです。
一度の土壌改良ではできることなど知れていますが、毎年毎年と続けていればきっと植物の生育の良い土壌になるはずです。
諦めずに続けてください。
皆さんの健闘を祈ります！
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